各段階における実施事項のイメージ(BCPブログ#10)

今回は、事業継続計画(以下、BCP)を構成するステップについてお話したいと思います。

BCPを構成する3つのステップ

BCPを構成するステップは大きく3つに区分されると考えられます。まず第1のステップは「事前」の段階です。第2のステップは、外力がまさに発生している「最中」の段階です。そして最後の第3のステップは、外力が終息した後の「事後」の段階となります。

各ステップにおけるテーマとは

第1ステップである「事前」は、いつか外力が発生に向けての事前準備がテーマです。「防災・減災の対策」は、日常的に組織の脆弱性を把握し、改善に向けた対応策を検討・実行することが該当しますし、「各種備蓄」は来るべき外力に向けて耐えうる経営資源を準備しておくこと、「訓練・演習」は実際に外力が発生した際に、冷静にBCPを稼働させるための教育及び訓練を行うことが主な内容として挙げられます。

第2ステップである「最中」は、外力が発生している「緊急時対応」がテーマです。具体的には「初動対応」としての組織の関係者の安否確認、BCP運用のための体制作りなどが主な内容として挙げられます。

第3ステップである「事後」は、「重要事業や重要業務の復旧」がテーマになります。外力により受けてしまった被害の中でどれだけ早く本来の事業規模の水準に復旧させられるか―という点が主な内容として挙げられます。

BCPの取組みは災害前から始まっている

これらの内容の中で、発災後の事業継続に関する対応を「狭義の意味でのBCP」とされる一方で、事前・最中・事後といった全体の対応を「広義の意味でのBCP」とされており、一般的にBCPと呼ばれるものは後者の意味合いを指していることから、災害発生後の取組みだけでなく、事前の体制作りもBCPにおいて非常に重要なものであると考えて頂ければと思います。