外力と脆弱性のリスクの関係性(BCPブログ#06)

今回は、災害リスクを最小限に抑えるための基本的な考え方について述べたいと思います。

災害リスクの大きさ=外力×脆弱性

資料スライドにおいて、「災害リスクの大きさ=外力×脆弱性」という式で表している様に、発生する災害リスクの規模は「外力」と「脆弱性」の掛け合わせであるといわれています。この外力とは、自然災害・事件・事故など、発生してしまった出来事を表しており、自然発生する外力を事前にコントロールするということは不可能と考える方が自然であるといえるでしょう。

災害リスクの規模を左右する2つの脆弱性

脆弱性とは、「企業としての脆弱性」と企業を取り巻く「周辺地域の脆弱性」という側面があります。例えば、企業であれば、企業内の建物・設備・機器、情報システムの環境やデータ管理状態、業務方法・手順・物流の流れなど、これらの環境や管理体制がどの様な状態かという視点になります。

次に、周辺地域であれば、地域内のインフラ(河川の防災設備、道路の整備状況など)がどの様な状況になっているのかという視点になります。他に経済や雇用の構造、地域の風土・文化、コミュニティー水準がどのくらい構築されているか、地域の人口構成として高齢者率が高いのか、若い人達が比較的多いのか―などの視点も重要なものとなるでしょう。

脆弱性ゼロに向けたリスクマネジメントが重要

これらの側面における脆弱性が見受けられるほど、外力が発生した際に大きな被害を受けてしまうということになります。反対に外力が大きくても「脆弱性に対策が施されていれば、引き起こされる災害規模は最小限に抑制できる」と考えられます。

この様に、これらの脆弱性への対応が災害リスクを最小限に留める近道と考えられていることから、脆弱性をゼロに近づける意識及び取組みが重要であると考えられています。