事業継続不能で影響を受ける利害関係者(BCPブログ#05)
今回は、事業継続できないことで影響を受ける利害関係者について考えます。まず容易に想定できるものから確認したいと思います。
直接的に影響を受ける利害関係者の例
まずは何と言っても、最も大きな利害関係者である「顧客」に商品・サービスが提供できなくなるという影響を与えてしまうことが懸念されます。売上高を最も与えてくれる顧客に価値提供できないことは、自社の死活問題に直結するといっても過言ではないかもしれません。また、続いて顧客に似たようなところもありますが、日ごろお付き合いのある「取引先」も大きな利害関係者であると考えることができると思います。こちらは皆さんの企業の仕入先・納品先どちらでも考えることができると思います。
そして、事業継続ができないことは、組織の中の「従業員及びその家族」にも多大な影響を与えることになってしまいます。万一、長期的に事業継続できない状態に陥ると、当然、売上高も利益も長期的に得ることができないことに繋がり、従業員の皆さんに給与を支払うこと資金が枯渇する可能性が極めて高くなり、従業員は元より、その従業員が養う家族に対しても多大な影響を与えることになりますので、経営者は事業を継続させる体制を構築することに大きな責任を持つ必要があるとご理解頂きたいと思います。
皆さんの会社に出資している「株主」も利害関係者の一人であると言えます。投資家は、企業が生み出す利益からの配当金や企業価値の増加を期待して出資しますが、これらが獲得することができない状況が続くとなると、株主にも多大な影響を与えてしまいます。
間接的に影響を受ける利害関係者の例
また、皆さんの会社が事業継続ができないということになると、その影響は「競合他社」に向かってしまうことも考えられます。皆さんの企業が事業継続できない状態になると、取引先は新しい取引先を探す必要に迫られてしまいますが、その場合は競合他社が最たる候補になりますが、競合他社の受注対応量にも限界があるため、キャパシティを超える注文が来ると、競合他社も困るわけです。競合他社に迷惑を掛けさせない意味でも事業継続の重要さは重要となるわけです。
そして間接的な影響として、従業員が災害で大怪我を受けた場合、その「地域の医療資源や介護資源」を使わざるを得ない状況が発生してしまう可能性もあります。そうすると、他の人々に提供できた医療資源や介護資源が消費されてしまうことになります。事業継続ができないことがこのような影響も与えてしまうと考えて良いと考えます。
多くの利害関係者に安心してもらうために事前の対策を!
最後にまとめですが、事業継続できなくなることで、顧客や従業員など多くの利害関係者に悪い影響を与えてしまうことが想定されます。
災害のレベル次第では、地域住民や行政などに対して間接的に悪影響を与える場合もあるので、各企業で災害時でも早期に事業を再開できる体制を構築しておく必要があると言えるでしょう。